運送会社の搾取システム【歩合給】トラック運転手

トラック運転手

やればやっただけ稼げるは本当か???

運送会社の歩合給は搾取システム

トラックドライバーの求人広告によく見る「歩合給」「あなたの頑張りを評価」「頑張った分を給料に反映」など、耳障りの良い文章を見掛けますね。しかし運送会社は「給与を安く抑えたい」とゆうだけの趣旨で歩合給を設定しているケースがほとんどです。おおよそ「月額で●●万以上は運転手に支払いたくない」といった上限から逆算して、手当や歩合給といった名目で調整されています。頑張った分を給料に上乗せしようなどとはハナっから考えていません。

幻想:歩合給は頑張った分稼げる仕組み
正解:なるべく給料の支払いを安く抑える仕組み

歩合給の種類

運送会社で歩合給といっても様々な種類があります。代表的なものを紹介します。

売上

最も多いパターンの売上制。荷主企業から運送会社に支払われる運賃の30~40%を歩合給として算出し給与に反映。基本給を高く設定してある会社ですと、歩合給のパーセンテージも当然下がります。各運行ごとに発生するため1日3運行×25日出勤などの例だと膨大な明細書が給与明細とは別に添付されます。しかし、何%で加算されるかの基準が非公表だったり明細書が添付されない運送会社も存在します。そういった場合、「先月はあれだけ稼働したのに給料が安い・・」などの不満が発生します。しかし、そもそも算出方法が不透明なために運転手が運送会社や労働基準監督署に指摘しづらい状況です。さらに算出方法がハッキリしている場合でも

Aの仕事「手積み手降ろしで運賃が安く待機時間も長い」
Bの仕事「パレ積みパレ降ろしで待機時間もないが運賃が高い」

といった運転手同士の不公平感が発生しやすいです。AとBで荷主企業が違う場合、運賃設定の決定権は荷主企業に一存されていますので運送会社には対処できません。

さらに問題点は以下に続き、

  • 先輩運転手が時間効率の良いBの仕事を選び、新人ドライバーはAの悪い仕事ばかり
  • 面接時に月収が予測しずらい。とゆうかほぼ不可能。そして「だいたいこれぐらいです」とウソを言われる(笑)
  • 荷主企業が設定したとされる運賃がドライバーに安く申告されている可能性がある

そもそも歩合給の算出方法のパーセンテージが1%でも変化すれば月額給与は変動しますので運送会社側からすれば「頑張った分を評価」するよりも「平均的に月収30万程度にする」目的でパーセンテージを調整します。最初から「これ以上は運転手に支払たくない」と考えています。

走行距離

売上制よりもドライバーにとっては明確とは言えますが、問題点もあります。

Aの仕事「積み待ち、降ろし待ちに時間が掛かりすぎて短距離」
Bの仕事「積み降ろしに待機時間がなく、長距離」

どちらのほうが時間効率が良くお金を稼げるかは明瞭ですね。

その他、同一距離でも一般道と高速道では疲労も所要時間もまったく違うといった不公平感も発生します。

積み荷の重量

荷物のトン数やキロ数で算出します。当然ながらドライバー個人がどんなに頑張っても、やる気が人一倍あっても運行指示書以上の荷物を運ぶことは出来ません。また、トラック1台に法的に定められている最大積載量以上を積む事も不可能です。しかし、閑散期に荷物が満載にならないとゆう事はよくあります。つまり、歩合が増える要素は皆無ですが、減る要素は大いにあるとゆう事です。運転手にとっては、とんだ不平等条約です。

その他

  • 荷役作業回数(積み降ろしの回数)
  • 立米(砕石、土砂、小麦、大豆など)などで算出します。
  • 荷物のケース数

加点方式ではなく減点方式

加点方式 = 本来の月給30万円に対して、運転手が頑張った分を反映して歩合給として5万円プラス(加点)して給料を支払う。結果、月給35万円。
減点方式 = 本来の月給30万円に対して、運転手は頑張って夜遅くまで働いたが、荷物が少なく荷主からの運賃収入が少ないので歩合給名目で10万円をマイナス(減点)して給料を支払う。結果、月給25万円。

例えて言うと、10t車で10時間の運行をした場合、荷物を10t満載して運行しても半分の5tで運行したとしてもドライバー個人が拘束される10時間は常に同じ。新人もベテランも同じ。そこに経験やスキルは無関係です。やる気や頑張りも無関係です。

しかし、運送会社は運んだ荷物が5tだと荷主からの運賃収入が少ないです。そういった場合に歩合給だとドライバーに支払う給与も安く抑えられます。逆に、10t車に20tの荷物を積む事は法的にあり得ません。仮に毎日10t満載で運行したとしても給与の上限は決まっており、月収が100万、70万に達する事がない点を考えると、減点方式と考えて間違いないです。給料が増える事はない反面、減る事は大いに有り得るわけです。

やはり歩合給は運送会社側が「給与を削減する目的」なのです。

一般的な誤解

ドライバー経験のない人が求人広告を見て勘違いしている点ですが、30万円程度の基本給があり、歩合給でさらに積み上がるシステムを想像していますが大きな誤解です。通常業務をこなして30万円で、さらに頑張れば10万円ぐらい歩合給が加算されると勘違いしているようです。実際の歩合制とゆうのは週6日勤務、1日12時間拘束でやっと総額30万円程度の給料です。現実にはそれ以上の時間、日数を稼働するには休日を減らすか寝る時間を削るかの2択しか給料を増やす事は出来ません。さらに辛い現実は、週6日勤務、1日12時間拘束で稼働したにもかかわらず、運賃の悪い仕事ばかり割り当てられた事だけを理由に歩合給が低く、収入も低くなるとゆう報われない現実です。

まとめ

「あなたの頑張りを評価」という求人広告はウソではありませんが、頑張ってもまったく報われない例は数多く存在します。悲しいお知らせですが、どんなにドライバーとしてのスキルを磨くよりも稼ぐ事に必要なのは「他人よりも寝ずに多く走る」これだけです。翌日の納品先に前夜から順番取りをして現地でトラックで仮眠なんてケースはよく聞きます。(歩合給と関係ない場合が多いですが)1週間家に帰らないドライバーもいます。単価の良い仕事をこなして、労働時間は変わらず給料が増えるという事はありえないのです。

個人的におすすめは「基本給+残業」の会社かなと思います。稼働時間であれば新人もベテランも皆1時間は同じ1時間です。「納品先で待たされて車庫に帰ってきたのが夜だけど売上制なので給与は変わらない」などの運転手にとって不利益なケースは避けられます。

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