「このタンクローリー過積載じゃん!」
友達と二人で車に乗っていたら信号待ちで前のタンクローリーを指差して友達が放った一言です。
危険物の資格を取ってタンクローリーに乗る前の自分もそういえば同じ事を思っていました。まずは下の写真をご覧ください。
【無印ローリー】 最大積載量20400kg 最大数量24kL(24000リットル)
右下の最大数量24klの標示が、最大24000リットルの液体を積めるタンクとゆう意味です。タンクの真ん中にある最大積載量20400kgが、トラックでお馴染みの積める重さの最大値です。
主な石油類の比重
危険物の比重とは、水の質量との比です。比重は液比重の事を指し、水より重いか軽いかを表します。水より重ければ1.0以上になり、水より軽ければ0.9以下になります。勘のいい人はもうこの時点で分かってしまいますよね。
ガソリン 0.75程度
灯油 0.80程度
軽油 0.85程度
危険物24000リットルの重量
無印ローリーの写真は、最大数量24000リットルのタンクローリーです。最大積載量20400kgの、このタンクローリーに「水」を満載してしまうと重量が24000kgになり、3600kgの重量オーバーになってしまいます。しかし危険物の比重は水より軽いです。なので仮に一番比重が重い軽油を満載しても24000リットル×0.85 = 20400Kgとなり最大積載量をクリアしています。
応用編
今度は、エネオスのタンクローリーを御覧ください。
【ENEOS】 最大積載量15700kg 最大数量20kL(20000リットル)
1枚目の無印ローリーは24キロ車でしたが、やや小さくなり20キロ車です。右下の最大数量20klの標示が、最大20000リットルの液体を積めるタンクとゆう意味です。ENEOSのロゴの下の最大積載量15700kgがトラックでもお馴染み、積める重さの最大値です。
ENEOSローリー積み荷の重量
では、ENEOSローリーの重量を計算してみましょう。混載表示版にあるように1・2・4・5・6番槽の軽油が合計14キロリットル。3番槽のガソリンが2キロリットル。この比重を計算すると
重量オーバーの例
- 灯油 20000リットル = 16000kg
- 軽油 20000リットル = 17000kg
- 軽油 18000リットル+ガソリン2000リットル = 16800kg
- 軽油 16000リットル+ガソリン4000リットル = 16600kg
- 軽油 14000リットル+ガソリン6000リットル = 16400kg
- 軽油 12000リットル+ガソリン8000リットル = 16200kg
- 軽油 10000リットル+ガソリン10000リットル = 16000kg
- 軽油 8000リットル+ガソリン12000リットル = 15800kg
上記8つの積載状態は、最大積載量15700kgのENEOSローリーでは、すべて重量オーバーでアウトです。この記事を書いていて思い出したんですが、どうも軽油が多く出るトラックステーション型のSS向けでは3番や4番ぐらいの積み荷になっていて重量もオーバーしていたような気がします・・・。
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